月の下まで

月の下まで」の奥村盛人監督が、わたしのお世話になっている方の友人ということで、ユーロスペースで上映の初日、いってまいりました。東京でのロードショーの初日ということで監督、俳優の舞台挨拶もあり、わたしと友人はお世話になっているの計らいで座れましたが、立ち見もでるほどの盛況でございました。

初監督作品ということで、監督も俳優陣も気合いが入っておりまして、舞台挨拶も熱のこもったものでした。なんでも出来上がってから三年の間にじわじわと評判をよび、今回の初ロードショーとなった模様。高知の黒磯町が舞台なのですが、そこの民家に合宿し俳優スタッフ、みな家族のようになったとのことで、映像からも田舎ならではの、ご近所さんとの近しさというものがよくでていたと思います。わたしは東京生まれですが、非常にその空気感が伝わってきました。

映画のストーリーは精神障害の息子とその父親の物語です。田舎の漁師の粗野な父、天使のようでしかし問題を次々おこす息子。となればストーリーはおのずと破滅へとむかう。マイノリティーの支持者であれ。というのがわたしの信条であり、となると障害者の描き方にもひとことあるのですが、ご都合主義、という感じの描き方をされているところがちょっとだけありました。たとえば、息子はいい年頃ですから、性に対してもっと興味をもっていておかしくないはずです。そこをリアルに描くことで、映画に深みが出たのではと思います。しかし、そうしなかったことで、息子は天使のままでおられるので、リアリズムを追求した作品ではないのだ、といわれればそうかもしれません。前述のように、田舎の人間の密接な感じがとてもよかった。なによりも監督のこのちいさなきれいな作品を作りたい!という意気込みが伝わってきて、それだけでも観た価値はあったかと思います。

9月27日までユーロスペースでロードショー。